自己決定理論とは?下位理論6種を含めわかりやすく解説

こんにちは、自己理解キャリコンの井上です。

 

この記事では自己決定理論をわかりやすく解説します。

 

✔自己決定理論のそもそもを理解したい

✔モチベーション高く仕事したい

 

あなたにオススメです。

 

 

自己決定理論とは?

米ロチェスター大学の

エドワード・デシ」と「リチャード・ライアン」に

よって提唱された理論。

 

 

以下参考書籍から引用。

 

この理論では、人間の行動やパーソナリティの発達に関して、
統制的動機づけから自律的動機づけによって表現される個人差を仮定し、
この動機づけの個人差は、自律性・有能感・関係性という3つの基本的心理欲求
満たされるかどうかによって生じると主張する。

そして、これらの基本的心理欲求が満たされることによって、
人としての適応的な発達や精神的健康・心理的成長を獲得できると想定している。

引用:新・動機づけ研究の最前線

 

 

自己決定理論ポイント

上記のポイントをまとめる。

 

 

自己決定理論ポイント

・自己決定理論では、「自律性」「有能感」「関係性」を基本的心理欲求としている。

・この3つの基本的心理欲求が満たされることで、人としての適応的な発達や精神的健康、心理的成長をもたらすと主張。

 

 

 

自己決定理論研究の流れ

自己決定理論は扱う範囲が広大なため、

研究の流れを理解すると全体を把握しやすい。

 

以下参考書籍から抜粋して引用。

 

人間の行動とパーソナリティの発達に関する動機づけの理論と説明したが、
デシとライアンは動機づけをテーマとして、
このような理論の構築を最初から思い描いていたわけではない

彼らの研究の関心の推移をたどると、
1970年代の内発的動機づけに関する研究が出発点だった。

 

その後、内発的動機づけに関する実験や行動観察による知見が蓄積された。
1985年に内発的動機づけも与える社会的要因がまとめられた。

 

それと同時に彼らの関心は、
特定の状況における動機づけではなく、
一般化された人間の行動とパーソナリティにも拡張され始めた。

引用:新・動機づけ研究の最前線

 

 

自己決定理論研究の流れポイント

上記のポイントをまとめる。

 

 

研究の流れポイント

・「デシ」と「ライアン」は内発的動機づけを出発点として研究を開始

・内発的動機づけに関する知見が蓄積

・動機づけだけでなく、人間の行動やパーソナリティに対価を拡張

 

 

自己決定理論の下位理論とは?

上記のような流れで自己決定理論の研究は進んできた。

 

流れに即して、自己決定理論には以下6つの下位理論が存在する。

 

下位理論と概要

 

 

1番目「認知的評価理論」と2番目「有機的統合理論」は動機づけに関する理論。

 

3番目「因果志向性理論」以降は、パーソナリティや精神的健康への影響などに拡張している。

 

 

ビジネスシーンで使われるのは「2の有機的統合理論」

ビジネスシーンで良く使われるのは、2番目の有機的統合理論

 

(ちなみに僕が自己決定理論を知ったきっかけも有機的統合理論です!)

 

以下のような図を見たことがあるかなと思います。

 

 

詳細は後述しますが、有機的統合理論は自己決定理論の一部

知っていただければと思います。

 

 

ここからは下位理論を1つずつ解説しますね。

 

 

1.認知的評価理論

社会的要因(お金などの報酬、肯定的な言葉がけ、罰など)が内発的動機づけに与える影響を明らかにした理論。

 

例えば、自発的に勉強する子供に報酬や言葉がけがどのように影響を及ぼすかなどを調査。

 

結果としては、個人が社会的要因をどのように解釈したかによって、内発的動機づけへの影響が変化すると主張している。

 

「勉強頑張っているね」という声がけの捉え方が個人によって異なり、その捉え方が内発的動機づけに影響する。

 

アンダーマイニング効果

 

「自発的活動に対して報酬を与えた後に報酬を取り去ると、報酬を与える前よりも活動量が低下する現象」

のアンダーマイニング効果。

 

こちらはデシが内発的動機づけに関する実験を行っている際に発見しました。

 

 

2.有機的統合理論

活動に対する価値に着目し、外発的動機づけを内発的動機づけとの関係を含めた形で、相対的な自律性の程度によって捉えなおしている。

以下は自己決定理論の中でも良く見る図である。

 

 

より高い次元の動機づけをすることの指標としてビジネスシーンでも使われる。

 

 

有機的統合理論は別記事でより詳しく解説する(記事ができ次第リンクを貼ります)。

 

 

3.因果志向性理論

以下3つの志向性(パーソナリティ)の個人差に着目した理論。

 

3つの志向性

 

これら3つの志向性は、どれか1つが個人に当てはまるわけではなく、様々な場面で3つのバランスによって特徴付けられると主張。

 

理論は現場レベルので検証が難しく、研究数は他理論と比べ少ない。

 

 

4.基本的心理欲求理論

自己決定理論の中核となる3つの基本的心理欲求それらの充足による効果をまとめた理論。

 

3つの基本的心理欲求と概要

 

心理的な精神的健康は自律性・有能感・関係性への欲求が満たされることで達成すると主張。

3つの欲求が充足することによって、ストレスの低下や質の高い生活を実現できる。

 

 

5.目標内容理論

人間の行動がどのような目標に向かって行われているかによって、精神的健康や心理的成長が変化することを体系化した理論。

 

以下2種類の人生目標を扱っている。

 

2つの人生目標

 

内発的人生目標に重きを置くことが重要と主張。

 

 

内発的人生目標を重視することは、精神的健康と正の関連を示し、

外発的人生目標を重視することは、精神的健康と負の関連を示した

という研究結果[末尾論文1]が報告されている。

 

 

目標内容理論は他の下位理論と比べて、幅広い年齢層で検討が行われている。

老年期を対象にした調査では、内発的人生目標の獲得は幸福感と正の相関を示すが、外発的人生目標は幸福感と相関を示さなかった[末尾論文2]。

 

 

 

経済状況が悪い地域では、金銭的成功が直接内発的人生目標になる可能性もあり、
外発的人生目標と幸福感に正の相関がある可能性もある。

今後も調査が進む理論となりそうだ。

 

 

6.関係性動機づけ理論

他者との親密な関係の中で得られる精神的健康を示す理論。

 

 

特定の親密な対人関係(友人関係や恋愛関係)の中で起こる基本的心理欲求に対する支援が、精神的健康に一定の効果を持つことを主張。

 

ある研究では恋愛関係でパートナーから基本的心理欲求を支援されていると感じる個人ほど、精神的健康が高いことがわかっている[末尾論文3]。

 

 

参考情報

1.参考書籍

以下書籍を参考にしております。

 

 

2.本内容に関わる記事

 

 

3.論文

参考書籍に掲載があった中で、本記事に研究結果を引用した論文を紹介します。

 

僕自身概要しか読めていないのですが、興味がある方・より深めたい方は読んでみてください!

 

[1]Be careful what you wish for: Optimal functioning and the relative attainment of intrinsic and extrinsic goals.

 

[2]Ambitions Fulfilled? The Effects of Intrinsic and Extrinsic Goal Attainment on Older Adults’ Ego-Integrity and Death Attitudes

 

[3]Early Adolescents’ Perceptions of the Classroom Social Environment, Motivational Beliefs, and Engagement

 

 

まとめ

今回は自己決定理論を紹介しました。

 

有機的統合理論は有名だと思いますが、他にも人生を豊かにする理論があります。

 

6つの下位理論を再度貼っておきますね。

 

 

 

自己決定理論を活用して、内発的に人生を生きましょう!

 

 

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